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感謝で始める循環

感謝で始める循環

前職などでは、リスク指摘することだけが仕事とか、重箱の隅を突くことが仕事だと思っている人が全くと言っていいほどいなかったのだが、退職してから個人としていろいろな会社さんと活動をご一緒させていただいていると、そういった方に一定確率で会うことがある。

「事業に対するオーナーシップのかけらも無いな」とつい思っている自分もいるのが、その方の経歴とか経験とかを深堀って訊いていくと、一般的に言う「成功体験」を、事業成長や事業開発という点においてほとんどされておらず、自分の生きる場所としてどうにか「指摘役」を選んでいることがある。(「なんでそんなことするの?」ただただオープンクエスチョンで子供を詰める親にも通づるところがある。)

事業成長自体は経験していても、そこに自分が介在してこその部分を見出していないことも多いように感じる。

そこで考えたのが、一般に言う「成功体験」には2種類あるんじゃないということ。

※正直、成功という尺度がバラバラなことがほとんどなので、私は「成功体験」というコトバは好きではないのだが、よく言われる言葉をあえて持ち出すことにする。



その2つは下記。

①仮説が当たった成功体験


②感謝された成功体験


成功体験となる元のもののMECE的な分類ではないが、自分のたいけんしているものがどちらなのか、両方なのか、ということを意識しておくと、成功体験に気が付きやすいという意味で役立つ材料になるかと思う。




①だと、わかりやすいのは例えばテレアポのトークスクリプトの作成やブラッシュアップ。受付突破率とか、架電する時間帯による通電率とか、そういったもの。仮説(考え尽くした想定)と実践とを通して、仮説が正解だったり期待値に近かったら(見える範囲では)「成功」として分類し、それ以外は「失敗」として分類して成功に近づくようにしたり手法を変えたりとかといったことをすることが多い。

②のほうが捉え方というか正しい認識が難しい部分もあるような印象を私としては持っている。例えばM&Aにおいて買い手が買おうとしている対象会社(対象事業)を深くチェックして仮に買ったあとにどのように運営するかに役立てる買収監査(デューデリジェンス)であったり、取引先の反社チェックをするとかといった場面でも、そのときは指摘される側・チェックされる側はしんどかったり面倒だったりするものの、後にヤバいことが判明して最終的には「あそこで指摘してくれなかったらヤバかったかもね。ありがとう。」と言ってもらえるとかそういうもの。

①は、自分の頭で考えて仮説を作らないことには成功体験として刻まれにくいし、再現性も無い。考え尽くしていない想定として仮説を作って実践しても、仮説が真に検証されたこととはならず、検証されていないということは再現性がなく、なぜ自分が成功したのかがわからないため、「成功体験」として処理することが出来ない。



一方、②については、自分の仮説とかが無くてもふとした瞬間に言われることがあり、そこからアジャイルに少し思考を回すと「やって良かった感」(=「指摘して良かった感」)を得られやすく、そこから成功体験を実感できる確率が高いように思う。

その点、冒頭の「指摘役」の方は、①は仮に引き出せなくても、②は私を初めとしてその「指摘役」の方の意識次第で良い意味で成功体験を醸成させられる可能性があると考えられる。

平たく言うと、「感謝ポイント」と探して徹底的に感謝する、という私側の行動変容で、「指摘役」を「仲間」にできる可能性がある。(もちろん、「指摘役」本人の意思も尊重した上でなので「仲間」にならない可能性もある。)

この感謝のベクトルがいろんな方向から向けられたり自分から向けたりしていると、みんながエエ感じになるんじゃないかと、そんなふうに私としては思っている。

前々職、前職時代から、この点は割と自分は意識してたなと思う。(もしかしたら後知恵バイアスがかかってるかもしれないが。)

例えば、社内のチャットツールであるSlackでは基本的にオープンチャンネルしか使わないが、そこではメンションを付けて徹底的に感謝したり、あえてオープンチャンネルでは一部の人だけをメンションして感謝しつつ、見えないところで個別に直接感謝を伝えに行ったりDMしたりとか、そういったことを粛々とやってきた。

他のひとに教えてもらったことを自分の手柄にするような人がたまにいて悲しいこともあったが、それでも感謝起点のカルチャー醸成は私なりに意識的にしてきたし、今回の「指摘役」の出現で自分のそのカルチャー的なアプローチがまた使えるような気がしている。

私は業務委託等でめっちゃ長期間をご一緒するよりも、短期間でもクリティカルな仕事をするほうがマッチしやすい・性に合うことが多いが、短期間で高密度に活動して一気に感謝のカルチャーを爪痕だけでも残して携わってからまた次の場所で感謝のカルチャーを作る、という動きも結構アリなのかもしれない。

マジで取り組みたいことや解決したいことがある人にマジで付き合う、ときにキツイことをしんどかったり面倒だったりすることを自分にも相手にも誠実に伝えつつもマジで付き合うのが私のスタイル。


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