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「市場価値」の幻想

「市場価値」の幻想

転職市場とかで転職エージェントとか転職サイト、それ関連の広告とかアフィリエイトとかで「市場価値」という言葉がある。

普通に考えて、この「市場価値」というコトバに、釣り文句以外の用途があるんだろうか?客観性があるんだろか?

「市場価値」という釣り文句からコンバージョンまでの流れは下記のようになっている。


「市場価値を確かめてみませんか?」

→ 「転職の先にきらびやかな世界が待っている!」イメージ

→ 転職エージェントや転職サイトに個人情報を渡す

→ 入力した個人情報をもとに、面接に行かせられそうな求人を表示したり当て込める

→ 候補者に紹介し、応募させ、面接させ、一定の推移率で進み、内定し、転職決定

→ エージェントフィーや成功報酬の受領

( → 転職サイトや転職エージェントの所属企業の売上・利益 )


つまり、転職決定させたい主体のインセンティブ以外に特に意味はない表現である。

にも関わらず、これだけ広く使われているのは面白い。

「市場価値」という、自分の経済的価値をたった1つの数字に集約してわかりやすく表現してくれるものには魔力がある。

その気持ち自体は理解できるし、私も頭がサボっているときは惹き付けられる可能性が生まれてしまう。

別に現職の年収が400万円でも、内定先が1,000万円でもROIが合うと判断するなら1,000万円でオファーは出る。

市場価値を知ろうとする活動としてではなく、ROIを示したり期待感をもたせる活動としての転職活動をすることで、転職サイトや転職エージェントが引っ張ってこれる市場価値もどきよりも高い報酬を得られる環境は見つけられる。

ただただ、「市場価値」は幻想である。

市場の成長度合い、市場の収益性、採用競争力、ポジション、タイミング、フェーズ、面接官、気分、そういったものですグワングワンとブレるものである、所詮数字なんて。

特に「正社員での転職」なんて、複数企業で同時に働くのではなく1つの会社でしか働けなくなる確率が高いわけである。

市場価値は取引されてはじめて決定されるものなので、1つの企業としか取引(労働提供&賃金受け取り)をしない場合、その市場価値もどきはサンプル1のものでしかない。

これは普通に考えて、確率論のt分布でいえばサンプル1つで母集団推定しているようなものです。アホかと。

市場価値で釣ってくるエージェントやサイトやソレ等の広告やアフィリエイトには気をつけてほしい。

幻想に囚われず、現実を作り出し、ディールメイクしていこう。