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戻るじゃなくて選ぶ

戻るじゃなくて選ぶ

「リモートから物理出社に戻る」

「観光需要が戻る」

っていう表現をコロナ明けてここ数ヶ月でかなりの頻度で見るようになった。

でもここでこそ、

  • グレートリセット
  • ニューノーマル(ノーマルがないという多元的定常状態)

という中で、強制的に多様生を自分にゼロベースでインプットしたうえで、目的に応じた「デザイン」観点を持って能動的に選択していきたい。

当然、人間は性質として変化が嫌いなので(私も惰性的なものも含めて毎日毎週繰り返していることはたくさんある)、「選ぶ」ではなく「戻る」ほうが、慣れ親しんだことを繰り返すことで時間が過ごせるのでラクではある。

観光系のマクロ経済のデータを見ていると、コロナが流行してから取引金額や旅行者数がガクッと落ちて山の形のグラフができて、直近1年や特に数ヶ月の取引金額や旅行者数がギュンと上がって谷の形(V字)のグラフができている。

https://statistics.jnto.go.jp/graph/#graph--inbound--travelers--transition
※2023/7/21参照

でもマクロの集計数値だけを見て「あ、戻った戻った」と安易に認識していると、ゼロかイチかを集計していろいろなアナログデータを捨象してしまうことで、行動様式の変化に気がつけなくなりそうで個人的にそのあたりの1次情報アンテナが弱まるのが怖い。

例えば、コロナ前は都市部に済んでいた人が年に1~2回の頻度で家族旅行していたとする。でも家庭の中で労働所得を受け取っているパパママが「リモートでよくね?」とか「リモートでできる職業や職場に切り替えた」とかという心境や環境の変化をさせていると、行動様式が変わる可能性がある。具体的には、リモートワークにパパママが移行することで、都市部から引っ越して都心から数時間といった地域や場合によっては四国に移住したとかの陸をまたいだところに移住している可能性がある。その場合、その移住先の土地やその周辺がその家族にとっての観光スポットとなったり、近場のキャンプ場に頻繁に行くようになることで旅行的な気分として事足りると、以前のような新幹線や飛行機での中長距離の移動が減り、その新幹線等での移動先の観光地にお金を落とさなくなる。

こんな感じの変化が数万人~数十万人単位で起こると、行動様式を「前に戻す」たくさんの人とともに「前と違う選択肢を取る」たくさんの人も発生することが考えられる。こうなると、「前に戻す」行動様式としての新幹線等での中長距離移動と、「前と違う選択肢を取る」行動様式としての新幹線等での中距離移動など、プレイヤーが入れ替わっている可能性があり、実際そうなっていると思う。

こういったことを考えると、マクロの集計数値としての金額や件数の合計数を推移として見つつも、その中身としての1次情報を再度取りに行くことの重要性がサービス開発者などとしては頻度的に上がる。

かなり観光寄りに話を広げたが、生き方・日々の過ごし方・活動範囲・働き方などの能動的な選択はミクロ主体として個々人レベルでして、自分・自分たちにマッチするかたちにアジャストすることのゼロベースの検討をすることがまず適していると思うし、コロナという大きな外的ショックがあったときは「変化の常態化」が一時的にでも発生するので、心理的・環境的にもこれまでと違う選択を取りやすくなると思うので更にそれが促進できると考えている。